占いの歴史

韓国の占いの歴史

韓国は占いが盛んな国

韓国は占いが身近な文化として根付いており、人生の様々な側面で活用されています。
日本では朝のテレビ番組で今日の運勢が紹介されたり、雑誌に星座ごとの運勢が掲載されていたりと、手軽なお役立ち情報として取り扱われることも多いですね。

韓国にも手軽な情報はありますが、もっと重要な局面で活用されてることも珍しくありません。
起業をするときや新しい商売を始めるとき、我が子の進路や子どもの結婚相手など、大きな決断を迫られるときに占いを活用する人が多いのです。
政治家や実業家が、お抱え占い師を雇っているケースも珍しくないそうです。
人生の岐路で将来を左右する大きな決断に迫られたときに、頼れるアドバイザー、それが韓国にとっての占い師の位置づけといえそうです。

重大事を占う本格的なものだけでなく、もっとカジュアルな占いも人気で、恋愛や仕事のことなど若い人も日常的に占いを楽しんでいます。
韓国の特徴として挙げられるのが、占いカフェが多いことです。
占いカフェは若い人に人気で、飲食を楽しみながら恋愛や進路などについて気軽に占ってもらえるこのようなお店は、学生街や繁華街など、街のあちこちに見かけます。

韓国では四柱推命や易経、シャーマンによる占いが有名

韓国でも日本と同様にさまざまな占いがありますが、最も普及しているのが「サジュ」です。
四柱推命が元になっており、生年月日と生まれた時刻から運命を占います。
また、易経が元になっている「ヨッジャム」も、サジュと同様に広く普及しています。

このほかにも、シャーマンが霊感によって占う「ムーダン」があります。
こちらは占いというよりもシャーマニズム信仰によるお告げで、日本では沖縄のユタや、青森県恐山のイタコ信仰とよく似ています。
巫女が霊と交信し、お告げを行うからです。

韓国国家の運営と深く関わる占い

ムーダンをはじめ、韓国の占いには古い歴史があります。
古代から国を治めるために占いが活用されており、韓国王朝と占いは深い縁で結ばれてきました。
韓国ドラマにも占い師や巫女が登場することが多いので、「何となく雰囲気がわかる」という方も、多いのではないでしょうか。

朝鮮王朝の天文学を扱う部署「観象監」の中には、占術を扱う部門があり、王の世継ぎを産む女性を決めるなど、国政に関わる占いが行われていました。
天文学を扱う部署は高麗時代にはすでに存在し、「書雲観(ソウングァン)」と呼ばれていましたが、朝鮮王朝の7代目の王様である世祖によって観象監と名前が変えられました。
占いは国政と深く関わると同時に、土着のシャーマニズムによって民衆にも広く信仰されてきました。
このような歴史が今も息づき、現代においても占いは身近な存在となっています。