ベトナムの占いの歴史
五行思想が深く浸透しているベトナムの占い
古代から文明が栄えている中国だけではなくて、アジア一帯では伝統や信仰にのっとったさまざまな占いが古くから実践されています。
その中でもベトナムは昔から五行思想が深く浸透しており、干支を元にした占いが古くから行われています。
五行というのは「干支」と「命」からなっていて、生年月日から性格や人間関係、仕事などをわり出します。
この五行はベトナム人にとっては生活の一部になっていて、引っ越しをするにも結婚や転職をするにも、まず五行に伺いを立ててから決断するという人がたくさんいます。
例えば女性の場合、年齢の数の1桁目が1・3・6・8の年には結婚はしないほうがいいと言われています。
そのため、23歳や26歳の女性は結婚を翌年に繰り越すことがよくあります。
占い師を信じる人が多いベトナム
ベトナムには占い師を信じる人が多く、結婚したい相手ができた場合には2人の「命」を見て占い師が相性を割り出します。
占い師が「2人の命は合わない」といった場合には、両親が2人の結婚を禁止することさえあるのです。
占いの結果を無視して結婚すれば、結婚生活がうまくいかなかったり、夫の出世に何らかの支障が出てきたりと、幸福な結婚生活がなかなか送れないことが予想されるからです。
出産に関しても家族の幸福に大きな影響を及ぼしますので、縁起が良い年に合わせて出産するといったこともごく普通に行われています。
占い師を信じる人たちはまだまだ多く、厄払いに多額のお金を払うこともまれではありません。
占い師に「あなたには悪霊が付いているから、不幸な恋愛が多く、なかなかお嫁にいけないのです」と判断されることがあります。
このような場合には、会社を休み、多額のお金を払って厄払いをすることも普通に行われています。
さらに、妊娠している女性が「今出産するとご主人の命に関わるから、中絶したほうがいい」と占い師に言われ、実際に中絶したケースなどもあります。
ビジネスマンでも五行を尊重する人は多く、ドアの位置やロゴの選定などに取り入れられることが多いようです。
ベトナムでは迷信による行為は禁止されている
これだけベトナムの人たちの生活に浸透している占いですが、実はベトナムでは迷信による行為は法律で禁止されています。
占い師は、占いをすることによって数年の判決を受けるリスクがあります。
それにもかかわらず、占い師が各地で活躍しているのが現状です。
ベトナムでは占い師になるために特別な資格が必要なわけではなく、極端に言えば誰でも占い師になることができます。
詐欺行為を行う占い師も多く、「お祓いをすれば難を逃れることができるから」と言って1,000万円以上のお金を騙し取ったケースなどもあります。